《受胎告知》を絵画であらわすと。
何から話そうか考えましたが、やっぱりキリストの一生から入るのがオーソドックスでしょう。
ご存知、キリスト教の創始者。西暦は彼の誕生した年を基準としておりますが、近年の研究では数年ずれてるらしいです。
さてそんな彼は生まれたときからちょっと変わっておりました。正確には生まれる前。
父は神だからね。
母マリアのところに天使ガブリエルが来て「あなたは神の子を宿している」と言いました。
当時マリア未婚。(婚約者のヨセフがいましたが。)
マリアは当然驚きますが、天使の説得にその事実を受け入れます。
以上、これが受胎告知。
聖書の箇所でいえば、「マタイによる福音書 1章18節から25節」「ルカによる福音書 1章26節から38節」。
さて、これを絵画で表してみましょう。
シモーネ・マルティーニの《受胎告知》(1333年)(一部)
登場人物は
・天使ガブリエル(この絵では左)
・聖母マリア(右)
基本的にはこの二人です。
ガブリエルの特徴として
・天使なので羽があること。
一方マリアは
・赤と青の洋服
・本(聖書)を読んでいる、または持っていることも。
二人の背後が金に光っていることもあります。聖人の証です。
あとよく描かれるものは2つ。
・白百合…これは純潔の象徴。マリアの処女降誕を表してます。
・鳩…鳩は神の使い。神のお告げということです。
この絵では鳩はいませんね。
この作品の特徴は2つ。
一つ目。文字。
天使とマリアの間に何か文字らしきものが書かれているのが分かりますか。
これは天使の口からマリアに向かって、天使のセリフが当時の言葉で書かれています。(ごめんなさい、なんて書かれているのかは忘れました)
古い時代の絵だとよく該当する聖句が書かれています。だんだん時代が経つにつれてなくなるんですが。
二つ目。マリアのポーズ。
マリアも天使の言葉に恐れて、身を後ろによじらせていますね。
このマリアのポーズというのも作家によって描かれ方が色々あります。
次回は、他の画家の描いた《受胎告知》を比較してみます。