備忘録

都内在住SEのアラサー。PNH持ち。好きなこと、思うことを記録。映画、美術館、宝塚がメイン。。

宗教画について。

絵の解説をする前に、宗教画について少しお話させてください。

そもそも西洋美術史において、宗教画といえばキリスト教画です。

より正確に言えば、ルネサンス以前の絵画といえば宗教画がほとんど。ルネサンスになって神話画や肖像画がすこしずつ増えてきて、後に風俗画、風景画が出てきました。

とはいっても主にアカデミーでは風景画、風俗画は長い間、宗教画や神話画より格下の絵画として扱われていました。人気はまた別の話です。

現在美術館に所蔵されている絵が描かれた目的は色々なのですが、西洋に行ったときに教会に行ってみてください。そりゃもう宗教画のオンパレードです。

歴史ある美術館に行っても、宗教画が多いはず。

なぜか?

絵画が描かれた頃、聖書(というより文字)を読める人はわずかでしたし、そもそも紙が貴重品でした。(紙の普及は西洋より東洋のほうが早い)

羊皮紙に書かれた聖書は教会の祭壇に鎖つきでぼーんと1冊ある程度。

では、一般人はどうやってキリスト教の話を知っていたのか?

そこで登場するのが祭壇画やステンドグラスに描かれた聖書の話を題材としたものです。

要は、絵画は布教の道具です。

美術館に収蔵されている絵画になるとまた色々な意味が含まれるのだけど、基本的には信仰心の表れ。

というわけで、聖書の話さえ分かれば宗教画は楽なんです。

絵画の題材に使われるのも定番がありますし。日本では馴染みがないから取っつきにくいだけ。

色々と難しい意味を込めているものも多いですけど、基本は同じ。

このブログでは、宗教画を中心に絵画読み解きをしながら、こんなところを見ると面白い、というのをつらつらと述べていきます。

一応手元に聖書はありますし、色々美術書も読みましたが、あくまでも私流の見方です。キリスト教徒ではありませんし、絵画の読み方にも説が複数出ているものも多いです。

そんなことを了承の上、お付き合い頂ければ幸いです。