『となり町戦争』
『となり町戦争』三崎 亜記
なんとなく気になっていたので読んでみました。
戦争の実態も目的も分からないので、じわじわとした怖さがある。
戦争を業務として描いているが、実際のところはどうなのだろう。実際も半ば業務ではないのか。(景気をよくしたければ戦争、というし)
傭兵も戦争を歩きわたる外国傭兵というのが出てくるが、これも実際にいるのだろうし。
目的もあやふやで実態もろくにないのにどこかでは確かに人が死んでいる、という状況はきっとどこが戦場になっても同じなのだろう。目の前で血が流れない限り。
なんてことを色々考えるのは、サークルで国際問題を若干かじっているからだろうか。
淡々とした状態がひりひりとしていて、好きだったのだけれど、後半は香西さんへ意識が移行しているのがいささか不満。
ひりひりさ、不気味さを維持してほしかった。
でも、香西さんは、どうやって生きていくのだろうか、とふと思う。