グエルチーノ展
グエルチーノ展に行ってきました。@国立西洋美術館
http://www.tbs.co.jp/guercino2015/
全然知らない画家だったんですが、面白かった。
まず人気があまりないせいか空いていてのんびり見られる!
これって結構重要なことです。自分と絵の間に人がわんさかいるか、絵と一対一で向き合えるか。
さて、中身。
宗教画パレードなんですが、まず良かったのが《聖母子と雀》。
さすが宗教革命の時代。
より親しみやすい母子像として描かれ、キリストも赤ちゃんのようです。
先週、ボッティチェリ展@文化村に行ってきたんですが、こちらはまだ聖母子のキリストが神らしく、少々憎らしい顔で描かれているものが多かったです。
雀はキリストの受難の印。それにしても柔らかい絵でした。
とても良かったもの①が下の絵。
《キリストから鍵を受け取る聖ペテロ》
写真では全くわかりませんが、これ378×222cmです。
ものすごい迫力でした。
天上から緞帳をめくる天使が飛び出てくるかのよう。
「聖ペテロとその後継者である教皇が神意による支配の正当性を強調している」(図録より引用)絵だそうです。
宗教改革で荒れ狂うカトリック教会が対プロテスタントを意識しているのでしょうが、これも教会用の絵。
文字を読めない人々にとって、これだけの迫力の絵があれば驚いて神を信じるんだろうな、と思いました。
果たしてどの高さにあった絵かわかりませんが、ちょっとかがんで見ると天使に覆い被せられそうな気さえしました。
あとはよくまぁこれだけの大きな絵を運んできてくれたな、とも。
三点目が《聖母被昇天》。
聖書の記述はありませんが、外伝に確か載っている箇所。聖母が昇天していくシーンですね。
絵画では結構描かれています。
私も聖母被昇天は好きなんですが、これはまた珍しい構図だな、と。
聖母がぐんぐん天へ登っていくシーンを共に見上げるか、体験するかのような構図。
聖母も美しい。
頭の周りの星は何かと思っていたら「ヨハネの黙示録」からの引用で、十二の星の冠だそう。
とりあえず3点だけ書きましたが、全体的にはとっても満足でした。
これだけ巨大祭壇画を持ってくることもそうそうないでしょうし、これは図録やPC越しでは分からない迫力なので是非見に行くことをオススメします。
5月31日まで。
ちなみに絵は図録をデジカメで撮影したものです。
まずいかな・・・。